こちらの記事では、
海外マーケティングの仕事内容、年収レンジ、転職方法、読むべき本
を全て網羅しています。
私自身、海外マーケティングとして長く働いてきました。今はロンドンに駐在して、「海外マーケティング職」の仕事をしており、実体験からの情報も加えています。
また記事作成にあたり、転職エージェントの視点、転職活動の経験、他の海外マーケティング職の人から意見を頂いており、信頼性の高い完全版を作成できました。

Contents
海外マーケティングの仕事内容
海外マーケティングの仕事を知るために、「そもそもマーケティングとはどんな仕事?」を理解しておく必要があります。
なぜなら「海外マーケティング」とは海外市場向けにマーケティング活動をする仕事だからです。
基本的に仕事内容は国内と同じなのです。
→先に転職、年収、お勧め本を知りたい方はこちらから飛べます。
転職について
年収について
お勧めの本について
マーケティングの仕事とは
マーケティングとは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、
「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにするため」
の概念です。
wikipediaから抜粋
この文章だと少しわかりにくいので、具体例を挙げると
・企業/商品/サービスのブランディング
・企業/商品/サービスの広告、宣伝、広報
・市場の調査や分析
・商品/サービスの価格設定
・販売計画の立案
・販売チャネルの設計
・販売促進/集客
がマーケティングの仕事になります。
この仕事内容からわかるように、「マーケティング」と言う言葉が指す意味は、非常に幅が広く、複雑です。
そのため、企業や部署ごとにマーケティングの責任範囲をしっかりと分けていることが一般的です。
上場企業のマーケティング部門
例えば、あるメーカーのマーケティング部門は、下記の4つにマーケティンググループを分類しています。
・チャネルマーケティンググループ
→販売チャネルの設計や、代理店との販売施策の検討
・プロダクトマーケティンググループ
→商品/サービスに関する市場調査や分析、価格設定、販売促進
・デジタルマーケティンググループ
→インターネットを活用した販売促進、データ分析、ブランディング
・ブランドマーケティンググループ
→企業/商品/サービスのブランディング、広告、宣伝、広報
このように分類し、それぞれのグループごとに人を配属し、マーケティング活動を行います。
大手部品メーカーのマーケティング転職求人の仕事内容
次に実際の大部品メーカーのマーケティング職求人を見てみましょう。
仕事内容
・代理店と連携して販売施策/販売計画の立案遂行管理
・現地代理店への経営指導、営業支援、業績管理
・新規流通チャネルの開拓
・新製品市場導入
この求人を見ると、ブランディングや宣伝のようなマーケティング職ではなく、業績を達成するための販売施策を期待されているマーケティング職だとわかります。
海外マーケティングの仕事内容
マーケティングの仕事内容について、理解を深めたと思います。次に海外マーケティングとは何か説明します。
簡単に言うと、海外を対象にしたマーケティングの活動のことです。
主な仕事内容
・企業/商品/サービスの海外向けブランディング
・企業/商品/サービスの海外向け広告、宣伝、広報
・海外市場の調査や分析
・商品/サービスの海外市場における価格設定
・海外地域における販売計画の立案
・海外市場の販売チャネルの設計
・海外市場の販売促進/集客
対象が海外になるため、その地域の言語や、文化、市場を理解する必要があり、日本国内のマーケティングより、ハードルが高くなります。
そのため、海外出張、海外駐在をする機会もたくさんあります。
海外マーケティング職を持つ業界
海外マーケティング職を持つ業界は、下記がほとんどになります。
主な業界
各種メーカー(自動車、部品、機械、半導体、化学、鉄鋼、精密、食品、AV、化粧品、ゲームなど)、マーケティング企業、リサーチ企業、マーケティングコンサルティング企業、IT
もちろん、例外的に上記以外の業界の「海外マーケティング職」もありますが、10%程度です。
海外マーケティングの年収レンジ
海外マーケティングを持つ企業は、グローバル企業になります。
そのため、平均年収は高い水準になります。
年収レンジ
担当職 500万〜900万 (30歳)
リーダー職 600万〜1200万 (35歳)
マネージャー職 700万〜1400万 (40歳)
外資系企業 上記+100〜300万
駐在員 1000万〜2500万
*doda、ビズリーチのオファー年収から年収レンジを算出
実際に、私が駐在していた20代後半時の年収は1400万円で、今までもらった転職オファーは900万、1200万、1400万です。*すべて外資系からのオファーでした。
海外マーケティングへの転職市場は
日本市場が縮小していく中、企業は海外市場を開拓することに躍起になっています。
ここ5年間、求人情報を追っていますが、常にたくさんの海外マーケティング職が募集されています。
需要はあるが、供給があまりない求人のため、転職のチャンスは非常に大きいです。
▪️未経験者
最近は「未経験者を募集している求人」を多く見かけるため、誰にもチャンスがあります。
最低限の英語力を持ち合わせておくだけで、採用される可能性が高まります。
ただし、未経験者の場合は、年収設定があまり高くありません。
狙いとしては、まず低い年収でもいいので経験を積み、その後再転職で年収を増加させるのが良いでしょう。
▪️経験者
一方で、経験者の転職は、ほぼ確実に給与アップを見込めます。
また、超一流企業への転職も簡単にできたりします。
一度、実際の求人を調べてみることをお勧めします。
海外マーケティング未経験の方:「doda」
海外マーケティング経験者:「doda」、ビズリーチ
網羅的にたくさんの求人が見れる「doda」で求人を把握しつつ、経験者はハイクラス求人の「ビズリーチ」で更に高い年収を狙いましょう。
海外マーケティングに必要な英語力は
理想はTOEIC900以上。しかしTOEIC600でポジションを獲得できることも。
まず、一流外資系や即戦力など超ハイレベルな求人であれば、TOEIC900やそれ以上の英語力を期待されます。
その分、年収の水準も高くなります。
一方で、海外マーケティングの求人をdodaで見ると、「必要な英語力はTOEIC600以上」と記述している求人もたくさんあります。
もし、英語力が低くても、ポテンシャル採用などで入社できる可能性はあります。
海外マーケティングで活躍するためのお勧めの本
マーケティング職で活躍したいのであれば、本を読む順番は一番重要になります。
1、まず外国人著者が書いたマーケティング全般の本を数冊読む。
2、その上で、あなたが目指したい専門分野の本を数冊読む。
3、実際の事例を紹介する本を継続的に読む。
よくあるのが、3番の本だけ読んで、それを仕事に持ち込もうとする人です。
例えば、有名なマーケティングの本で100円のコーラを1000円で売る方法がありますが、この内容はあくまでたくさんある施策のうちの一つ二つを説明しているだけなのです。
全般的なマーケティングの本を読まず、施策の本だけ読むのは、「木を見て森を見ず」と同じ状態です。
そのため、必ず「外国人著者が書いたマーケティングの専門書」をまずはじめに読んで、フレームワークやマーケティングの考え方を理解してから、施策本を読みましょう。
外国人著者が書いたマーケティング全般の本
海外マーケターとして、必ず読んでおくべき本をお勧めします。
逆に言うと、これを読んでおけば、マーケティング業務の全体感を把握できている状態になります。
コトラーのマーケティング・コンセプト
マーケターであれば、コトラーの本は最低1冊は読んでおきましょう。
本書はマーケティングで理解しておくべき80の重要なコンセプトが学べる本です。
各コンセプトがエッセンス主体でまとめられていて、マーケティング辞書のように拾い読みできる点がお勧めです。
コトラ-のマ-ケティング・コンセプト /東洋経済新報社/フィリップ・コトラ-
グロービス MBAマーケティング
こちらも1冊で体系的にマーケティングが学べるお勧めの本です。
コトラーの本を読んでいるのであれば、必要ありません。
まず日本人が読みやすいテキスト形式を入門として読みたいのであれば、こちらをお勧めします。
グロービスMBAマーケティング 改訂4版/ダイヤモンド社/グロービス経営大学院
ポジショニング戦略
あなたがマーケティング初心者なら、絶対に読み逃してはならない必読の名著です。
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